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マイレージ/錬金術師
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■GoogleのAdSenseで生計を立てる人々

 英語圏においては、GoogleのAdSenseで生計が立つ人が増えているということが非常に重要だろう。小遣い銭程度になるというのと、生計が立つというのでは雲泥の差があるからだ。

Fortune記事の冒頭は、

「Jon Gales loves Google, but not for the reason you might think. It's av terrific search engine, sure, but what Gales really likes is that Google is making him money. Gales's website, Mobiletracker.net, is a compendium of news and reviews about cellphones that after a year and a half attracts about 200,000 users a month. Google supplies the ads for the site, visitors click on the ads, and because of the site's popularity, Google sends Gales monthly checks of $5,000 or more. That's a decent chunk of change for any sole proprietor. But for Gales, the numbers are eye-popping. He's only 19 and lives expense-free at home with his parents in Tampa, posting four or five items in the course of the day while parked on the living room couch with his laptop. Says Gales: "If things keep going the way they are going, I'll be making more money than my dad next year."」

 こんなふうに始まっている。19歳のJonが1日4-5エントリーして集める月20万ユーザのサイトで、収入は5000ドル/月以上。「このまま行けば、自分の父親以上の収入になってしまうなぁ」と彼はつぶやいている。この記事の中には、やはり同じような例で、年に12万ドルの収入を生み出すサイトの話も出てくる。

 むろんそのトレンドは、Amazon、eBay、Yahoo!というネット列強のアフィリエイトプログラム等の伸びとシンクロしたトレンドである。Business 2.0誌「The 5 Lessons of 2004」という記事でも、

「Benjamin Chiu just earned his master's in mechanical engineering, but he hasn't bothered looking for a job yet. He doesn't need to. The 24-year-old runs a website from his San Francisco condo that nets him upwards of $20,000 a month. Chiu is an affiliate for Amazon and dozens of other online stores. The best part? He doesn't actually sell anything; instead, his website, bensbargains.net, hawks laptops, backpacks, and karaoke machines and refers all buyers to the merchants' websites.」

と、Amazonや他のショッピングサイトのアフィリエイトで、月に2万ドル稼ぐ24歳の Benjaminの話が出てくる。


■膨大な数のスモールビジネスへの対応がネット企業の特質

 このことは、GoogleのCEOであるSchmidtが、インタビュー記事の冒頭で「What is it that people don't understand about Google?」と問われて、

「The thing that people seem to miss about not just Google, but also our competitors, Yahoo, eBay and so forth, is that there's an awful lot of communities that have never been served by traditional media. There's a tremendous number of small businesses that have been able to get tremendous economic returns because all of a sudden their market is no longer a local market. But it's a global market of like-minded small businesses in a specific area.」
「We've seen tremendous growth in these sort of very small micro markets. There are so many of them that the numbers are very, very large.」

こう答えている部分と呼応する。Schmidtは、Googleを含めたネット列強の特質を、旧来型企業がきめ細かく対応できなかった「tremendous number of small businesses」(個人も含む)がカネを稼げるインフラを用意したことだと、述べているのである。この部分は極めて本質的である。

 さて、総括記事でそれ以外に面白かったのはここ。

「Seth Godin, a well-known online advertising consultant and former Yahoo employee, used to be dubious about Google's prospects. Not anymore. "They were right, and I was wrong," he says. "They've created the first new and effective ad medium in 50 years. It's brilliant."」

元YahooでコンサルタントのSeth Godinが、以前Googleに懐疑的であったことを改心して、この50年大した変化がなかった広告メディアの世界にGoogleは全く新しいメディアを創造したのだと、絶賛口調になっていることだ。

記事のタイトル「GOOGLE @ $165 Are These Guys For Real?」、つまり「今の株価は正当か否か」という問いに対する答えは、Googleは素晴らしい会社だが、過去の Microsoft等と比べて最初から株が高すぎる、つまりは今後5-10年にわたってGoogle が正しいことをし続け、競争に勝ち続けることが織り込まれた数字なのだ、というごくごく当たり前の分析になっている。

Googleの今年最後であろうアナウンスは、バーチャル図書館プロジェクトの発表であった。ミシガン大学、ハーバード大学、オックスフォード大学などと提携して、図書館の本をすべてスキャンしてインデックス化する。日本のいろいろなメディアで取り上げられているから、詳細はそちらをご覧いただきたいが、New York Times 「Google Is Adding Major Libraries to Its Database」(要登録)によれば、

「Although Google executives declined to comment on its technology or the cost of the undertaking, others involved estimate the figure at $10 for each of the more than 15 million books and other documents covered in the agreements. Librarians involved predict the project could take at least a decade. 」

10年がかり、1冊スキャンして取り込むコスト約10ドルで、1500万冊を取り込むとのことなので、それがもし本当ならば総額1億5000万ドル(150億円強)かけてのプロジェクトになる。


■それでも残るGoogleの公開後ガバナンスのあり方

 同じくNew York Timesは、「2004年の新しいアイデア」という日曜版雑誌の特集の中で、Googleの公開後ガバナンスのあり方を「新しい考え方」だとして取り上げている。「The Benign Corporate Oligarchy」である。善意・良性の創業者たちの考えによるものではあるけれど、彼らがすべてを差配するGoogleの集権型経営体質をやや皮肉った記事になっている。

「In the Google prospectus, Page rejected this nonsense in the kind of straightforward English sentences rarely encountered in securities filings. ''Many companies are under pressure to keep their earnings in line with analysts' forecasts. Therefore, they often accept smaller, predictable earnings rather than larger and less predictable returns,'' he wrote. ''Sergey and I feel this is harmful, and we intend to steer in the opposite direction.'' 」

「公開企業は株主からの強いプレッシャーを受けるゆえ、小さく確実な稼ぎを重視して、不確実だがより大きなリターンを逸する傾向にある。それは間違いだと考えるので、自分たちは従来の公開企業のルールには従わない」とGoogle創業者は宣言して株式公開したわけだ。今は事業が快調に推移しているので、市場はGoogleがやることをすべて受容している状態にあるが、どんなにすぐれた企業にも苦境は訪れる。そういうときに、彼らの「新しい考え方」が本当にワークし続けるか。

「The young founders of Google don't have that kind of track record, so they sold stock to the public that comes with diluted voting rights. They were thus able to raise lots of money while still retaining control over the company. In the past, this has often spelled trouble. Executives who aren't accountable to shareholder votes can be prone to mischief. The Google founders seem to be saying that executives get into more mischief when they are overly solicitous of short-term investors. Mindful of all the companies that went astray and sometimes lied to meet analysts' expectations, Google will not even issue earnings forecasts. Like latter-day corporate barons, they advance the proposition that shareholders will be better off if the executives are trusted more and interfered with less.」

この部分はGoogle創業者たちが「ベスト・アンド・ブライテスト」ゆえに陥りやすい危険をやんわりと指摘している部分である。

もっとはっきり書けば、こういうことだ。「圧倒的にすぐれた俺達に任せて、何もわからんお前たちは黙ってろ、株を10年持ち続けていれば絶対に儲けさせてやるから、短期で株が下がってもガタガタ言うな」というのが、Googleの株主に対する姿勢である。姿勢だけならばまだよいのだが、その姿勢を、「創業者が一般株主と違う種類の株式を持つ(議決権が10倍)」ということで制度化・固定化してしまったところに大問題がある、と僕は相変わらず考えている。本欄で何度も指摘したGoogleのこうした「ガバナンス構造の新しさ」ゆえの潜在的リスクは、これから長期的にGoogleを眺めていく上で忘れてはならないことだと思う。

 ニュースソース→CNET JAPAN 
 →http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001930.html

 ジョン君のページ
 →Mobiletracker.net(英語) →http://www.mobiletracker.net/
 
 →(日本語訳) 

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